長時間労働や職場のストレスから命を落としたと認定されるケースが後を絶ちません。日本で長く問題になっている「過労死」は、英語の辞書でも「karoshi」と紹介されています。ただ、働き過ぎによる健康被害は日本だけの問題ではないようです。世界の労働問題に詳しい龍谷大の脇田滋名誉教授に聞きました。
――過労死はいつごろから問題となってきたのですか。
バブル経済へと向かう1970~80年代です。働き盛りの男性が残業を重ねた末に亡くなることが目立つようになりました。労災問題に取り組む医師たちが「過労死」と名付けたのが始まりです。
危機感をもった医師や弁護士たちが81年に連絡会を結成し、88年には全国初の「過労死110番」が実施されました。これが反響を呼び、海外でもそのまま「Karoshi」と報道されました。
――2014年には過労死等…